様々な理由から髪に悩みを抱える子どもたちに、医療用ウィッグの原料となる毛髪を寄付する「ヘアドネーション」。
年齢や性別など関係なく参加することができます。
七五三の前撮りの後などお子さんの髪をばっさり切る時、ヘアドネーションをすれば世の中に役立てることができます。
切った髪の毛をプレゼントすることで、お子さんにとって思い出に残るヘアカットとなるでしょう。
今回は、そんなヘアドネーションの魅力についてご紹介すべく、「Japan Hair Donation & Charity(ジャーダック、以下JHD&C)」のヘアドネーション認定講師としても活躍されている、二子玉川の「55JET ai HAPPY HAIR MAKE」の代表・當間さんにご協力いただきました。
ヘアドネーションの魅力はもちろん、「病気の子たちの役に立ちたい!」という思いを持った5歳の女の子が実際にヘアドネーションにチャレンジした様子もご紹介しています。
ぜひチェックしてみてくださいね!
髪の毛がプレゼントになる「ヘアドネーション」って?
「ヘアドネーション」とは、病気や事故などによって髪の毛を失った子どもたちの医療用ウィッグを作るために、髪の毛を寄付(ドネーション)すること。
日本では、主に3つの団体や企業がヘアドネーション活動を行っています。
そのうち、今回撮影にご協力いただいたサロン「55JET ai HAPPY HAIR MAKE」が賛同しているのは、特定非営利活動法人Japan Hair Donation & Charity(JHD&C/ジャーダック)です。
JHD&Cは寄付によって集められた髪だけを使い、フルオーダーのメディカル・ウィッグ(フルウィッグ)を製作、完全無償提供をおこなっている国内唯一のNPO法人。
国内に「ヘアドネーション文化」を定着させました。
ヘアドネーションの条件や注意点
小さなお子さんでも参加可能なヘアドネーション
ヘアドネーションは年齢や国籍、性別関係なく、参加者が「髪を失った子どもの役に立ちたい」という同じ気持ちを持って世界中で行われています。
世の中には様々な寄付がありますが、ヘアドネーションは自分の髪の毛を伸ばすだけででき、簡単に参加できる社会貢献活動であるため、近年では子どもの参加も増えているそうです。
子どもの切った髪を、記念として筆にするという親御さんも多いですが、それ以外に髪を誰かにプレゼントするという選択肢もあるのです。
筆のように親子の手元に残るものはありませんが、心に残る素敵な思い出を刻むことができるでしょう。
七五三のあとなど髪をばっさりと切るタイミングに、ヘアドネーションにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
JHD&Cのヘアドネーションに参加するための条件は、年齢などに関わらず大きく3つです。
- 1. 寄付できる髪の長さが31cm以上あること
- メディカル・ウィッグを製作するための世界的な毛髪の基準「12インチ」をセンチメートルに換算したのが「30.48cm」であり、この基準を満たすためには「30cm」ではなく「31cm」の髪が必要なのです。
- 2. 極端なダメージ毛ではないこと
- 軽く引っ張っただけで切れたり伸びたりしてしまうほどの極端なダメージ毛でなければ、誰でもドネーションできます。
- 3. 完全に乾いていること
- カビや雑菌が繁殖することで、寄付した髪がウィッグに使用できなくなったり、他の方が寄付した髪もカビの脅威にさらされるのを防ぐためです。
子どもが参加する時に保護者が気をつけておきたいこと
子どもが参加する時には、保護者の方がヘアドネーションについての知識を深め、「なぜ寄付をするのか」をお子さんにしっかりと説明することが大切です。
「ただ髪を切る」という作業なのではなく、あくまで「髪をプレゼントする」という活動の目的をお子さんに理解してもらうことで、親子で思い出に残るヘアカットとなるでしょう。
ヘアドネーションの流れや準備は子どもと大人で違いはありません。
当日は三つ編みなどをせず髪を下ろして、ワックスやスプレーなど髪が固まってしまうものはつけずに美容室へ向かいましょう。ヘアアイロンなどを使ってクセ毛を伸ばす必要はありません。
【実際にやってみた】ヘアドネーションの流れって?
5歳の女の子がヘアドネーションにチャレンジ!
今回は5歳のYちゃんがヘアドネーションにチャレンジしました。
ヘアドネーションのことを知った時は少し理解をするのに時間がかかったそう。
ママがていねいに説明をしたことで、「病気の子たちのためにいいことをするんだね」と納得。
「ヘアドネーションをやってみたい!」という気持ちになり、今回参加することになりました。
ウィッグをつける子のために、かわいらしいお手紙も書いてきてくれました。
1.ママと一緒にカウンセリング
美容室についたらまずはカウンセリング。
どのくらい毛束の長さが取れるのか測ったり、仕上げのヘアスタイルを決めたりします。
普段利用している美容室でもヘアカットが可能ですが、JHD&Cに登録している「賛同サロン」でのカットをおすすめします。
髪の長さの計測やばっさり切った後の仕上げなどの経験が豊富なため安心してお任せすることができます。
2.実際に髪をカット
一度ドライヤーで髪を充分に乾かした後、髪を複数の束にまとめていきます。
こちらのサロンでは、最初のカットはヘアドネーションをするご本人にお願いすることが多いそう。
今回のように、小さいお子さんの場合は自分でハサミを使って髪を切ることができないため、ママが代わりにカットすることに。
3歳から伸ばし続けた髪の毛。ついにばっさり切る時がやってきました……
カットできました!ちょっぴり不安そうだったYちゃんも、大事な役割を任されたママも、
とびっきりの笑顔です!
その後のカットは當間さんにおまかせしました。
カット部分から毛先まで31cmよりもだいぶ多く取ることができました。
シャンプーをしてから、仕上げのカットに入ってきます。どんな髪型になるか楽しみです!
【使用したアイテム】
Nobby by TESCOM
プロフェッショナル プロテクトイオン ヘアードライヤー NIB3000
※画像で使用している商品は現在廃番になっています。
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【使用したアイテム】
Nobby by TESCOM
プロフェッショナルプロテクトイオンヘアーアイロン NIS3001
※画像で使用している商品は現在廃番になっています。
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女の子らしいボブスタイルに仕上がりました。かわいらしい髪型にYちゃんも思わずにっこり。
帰り際に「うれしかった」という一言をいただきました!
また今回のヘアドネーション体験を通して感じたことについて、Yちゃんのお母さんにも感想を聞いてみました。
自分でヘアドネーションをやってみたいと思っていても、子供ができると自分で髪を伸ばしてお手入れをするのが大変で、なかなか伸ばし続けられませんでした。
娘の場合は、私が毎朝三つ編みや編み込みのヘアアレンジをしてあげることで、髪を伸ばすことそのものを楽しめていたようです。
そして何より、娘がヘアドネーションに参加して、髪の毛を失った子どもたちのためにプレゼントできたことがとても嬉しかったです。
仕上げは可愛らしい髪型に仕上げて娘も喜んでいたので、今まで頑張ってきて本当によかったです!
3.ドナーシートと返信用封筒の準備・送付
カットした髪は書類と合わせてJHD&Cに送付します。
まず性別や年齢などのドナー情報、髪の毛の状態などを記入したドナーシート(写真:左)を準備します。
JHD&Cから送られてくる受領証が必要な場合のみ、切手を貼った所定サイズの返信用封筒(写真:右)も用意しましょう。
髪の毛・ドナーシート・返信用封筒を1セットにし、JHD&Cに送ります。
今回ご協力いただいた「55JET ai HAPPY HAIR MAKE」ではサロンにて髪の毛を預かり、送付まで行ってもらえるため、カット当日にこれらの書類を持って行きました。
髪の送付に関してはご自身で送付することを推奨するサロンも多いので、事前に確認しましょう。
4.後日、受領証と水色のヘアタイが自宅に到着
かわいらしい受領証とヘアタイが自宅に届き、嬉しそうなYちゃん。
受領証の裏面には様々な言語で「ありがとう」と書かれています。
ばっさりショートヘアにするなら、切った髪を素敵なプレゼントに
ヘアドネーションは、ばっさりとカットした髪の毛を、誰かにとってかけがえのないプレゼントへと変えることができる素敵な活動です。
大人はもちろん小さなお子さんでも、「髪の毛を失った子どもたちの役に立ちたい」という気持ちさえあれば、参加することができます。
伸ばした髪をカットしたいと思っている方は、31cmを超えるまで少し頑張ってみてはいかがでしょうか。
またお子さんの場合は七五三の後などの髪をばっさり切るタイミングで、ぜひヘアドネーションに挑戦し、親子で素敵な思い出を作ってくださいね。
- ◎今回ご協力いただいたスタイリストさん
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當間紀之(トウマノリユキ)
55JET 代表
東京・渋谷の某サロンで ヘアメイク・ヘアショー等で活躍。
25歳で三店鋪の店長に就任し 28歳で会社を設立し独立。
20周年を迎え社会への御恩返しとして始めたヘアドネーションでは、イベント等の最前線で動きヘアドネーション活動の普及に努めています。
サロンワークでもヘアドネーション活動は「いい意味で日常」となっており、美容師としてドナーの方の想いをレシピエント(受取人)さまへ届ける橋渡しをされています。
- ◎ご協力いただいたヘアドネーション団体
※この記事は当社オウンドメディア「女性キレイ研究所」に2019年6月28日に掲載された記事を2021年10月28日加筆修正し再掲載したものです。